第16回 ライター岩田のトラキャンライフ
ライター岩田のトラキャンライフ
第16回 ハイラックスに装着した足回りパーツのインプレッション
トラキャン乗り&キャンピングカー乗りの皆さん、こんにちは。1月から2月にかけてすさまじい激務続きで、まったくお出かけできていない岩田です。唯一の救いは、取材現場までの足としてハイラックスに乗れていること。仕事でもハイラックスに乗ってドライブできるのは、やっぱり楽しいです!
で、今回のネタは、トラキャンのベース車になるハイラックスの足回りチューニングについて。我が家のハイラックスは、ショックを純正からKYBのNEW SR MCに交換して、フロントにJAOSのリフトアップスプリングを入れています。ハイラックスのトラキャンに乗る人は「クルマ好き」「改造好き」の人が多いと思うので、装着パーツのインプレッションがクルマいじりの参考になればうれしいです。
KYB製ストリート向けショック「NEW SR MC」
KYBは、言わずと知れた世界的なサスペンションメーカー。JAOSと共同開発したサスペンションをハイラックスに装着して、アジアクロスカントリーラリーにも参戦しています。そんなKYBのストリート向けショックアブソーバー「NEW SR MC」は、ハイラックスのキャラクターにもピッタリのお勧めパーツです。
トラキャン状態で純正以上にしっかりとした走りを実現できること、そして何よりハイラックス単体での普段乗りやレジャー、仕事の移動がより楽しく快適に行えること。その2点を実現するため、KYB製ショックにコンバートしています。
装着後の感想ですが、乗り心地は純正とほぼ変わりません。コツコツという突き上げ感は少し増えた印象ですが、気にしなければわからないレベルです。感覚的には、乗り心地が改善されたMC後モデルと、トラック的なゴツゴツ感があったMC前モデルの中間くらいの乗り味。MC後モデルに装着すれば足元のしっかり感が純正より一回り増加し、MC前モデルに装着すれば乗り心地が良くなったと感じられると思います。
ワインディングで振り回しても、ロール感が少なく足元がしっかり踏ん張ってくれるのが、純正より明らかに向上した点。タイトなコーナーに多少オーバースピードで突っ込んでも腰砕けにならずしっかり曲がり、不安を感じさせずに狙ったラインをトレースしてくれます。
もちろん荷台にシェルを積載したトラキャン状態でも、足回りに不満を感じたことはありません。トラキャンのシェルが完成する前にKYB製ショックを装着したので、トラキャンで純正ショックの乗り味は体験していませんが、ハイラックス単体でも足元のしっかり感が増加しているので、シェル積載時の走行性能も確実に向上していると思います。
ただ、「トラキャン購入時に絶対装着した方がいいか」と言われると微妙なところです。お金に余裕があれば装着を推奨しますが、GUN125後期型ハイラックスの足回りは非常によくできているので、純正でもそこまでストレスを感じることはないと思います。KYBのNEW SR MCは価格がリーズナブルなので、純正ショックがヘタったタイミングでリプレースパーツとして導入するのがお勧め。それなら、交換費用は純正の新品ショックにかかる費用プラスアルファで済みます。
JAOS BATTLEZ リフトアップスプリング Ti-W
愛車の足回りに装着しているもうひとつのパーツが、JAOSのリフトアップスプリングです。これは、走行性能うんぬんではなく、完全にビジュアル重視で導入したもの。ハイラックスは荷物の積載を前提としたトラックなので、純正車高が「前下がり」状態になっているのがデフォルトです。フロントをリフトアップすることで車高のバランスをとり、違和感のないルックスにするのがこのパーツの役割。正直「あってもなくてもいい」パーツですが、ハイラックスを普段乗りや仕事で乗り回す機会が多いので、少しでもカッコよく乗れた方がいいと導入を決めました。
とはいえ、足回りは走行性能にかかわる重要な要素。ヘタなパーツを付けて走行性能を悪化させては意味がありません。そこで、海外ラリー参戦などで足回りパーツに定評のあるJAOS製をチョイスしました。JAOSのリフトアップスプリングは、「柔らかいけどコシがある」チタン配合材を使用しており、運動性能をスポイルせず4駆らしいスタイルを実現できるのがポイントです。
純正フロントスプリングと交換するだけのシンプルなパーツですが、その効果は絶大! 装着後はフロントの車高が約4㎝アップして、ボディの姿勢が前下がりから水平に近くなりました。何より、たった4㎝ですがボンネットとフェンダーの高さが上がったことで迫力が増して、クルマがさらに大きく見えるようになったのが一番うれしいポイントです!
JAOS製リフトアップスプリングは純正よりも少しバネレートが高いため、懸念していた車高アップによる走行性能悪化も皆無。快適なハイラックスライフ&トラキャンライフを送ることができています。
リフトアップの注意点としては、まず信頼性のあるメーカーのパーツを使用すること! むやみに車高を上げると車両の重心が高くなり、荷台にシェルを積載した時の走行安定性悪化につながるので、リフトアップは控えめがベターだと思います。
また、純正車高ではエアサスの空気圧を5kg前後に設定するとほぼ水平になりましたが、フロントリフトアップ後はそれだと前下がりになってしまいます。筆者の場合、トラキャン状態のエアサス空気圧は6kgちょっと入れてちょうどいい車高になる感じ。装着されているエアサスの限界空気圧が7kgなので問題はありませんが、より大きいサイズのエアサスなら車高の調整幅も大きくなるので、リフトアップした車両に乗っている人や納車後にリフトアップする予定がある人は、事前にミスティックに相談するのがお勧めです。
キャンピングカーライフ研究家/ライター 岩田一成
バンコン、キャブコンを乗り継ぎ、現在の愛車はSPL仕様のJ-CABIN HNを載せたハイラックストラキャン。
累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験と、14年以上のキャンピングカー取材経験をベースに、雑誌、WEB、テレビなど様々な形でキャンピングカーの魅力を発信中!