第8回 ライター岩田のトラキャンライフ
ライター岩田のトラキャンライフ
第8回 我が家のトラキャンJ-CABIN HNの“エアコン事情”
6月下旬から異例の早さで各地の梅雨明けが発表され、連日真夏もビックリのすさまじい暑さが続いていますが、皆さん楽しいキャンピングカーライフを送っていますか?
こちらは、“猛暑ニモ負ケズ”仕事やプライベートで毎日アチコチ飛び回る毎日です。ハイラックスに付ける予定のパーツもたくさんストックしているんですが、これだけ暑いとさすがにクルマいじりをする気もなくなりますね~(笑)。
そんなワケで、今回のコラムのテーマは、暑い夏を乗り切る「エアコン」の話。
いまやリチウムイオンサブバッテリーで長時間稼働できるエアコンは、キャンピングカーのスタンダードな装備になっています。筆者がキャンピングカーに乗り始めた15年ほど前は、家庭用エアコンやDC12Vの車載用エアコンを搭載したクルマは皆無で、あってもAC電源の使用を前提とした巨大なルーフエアコンやウインドーエアコンくらいでした。
そのため、夏場は「標高の高い涼しい場所に行く」のが、当時のキャンピングカー乗りの常識。目的地はできるだけ涼しい場所を選び、ルーフベントを活用したり、家庭用扇風機を車内に持ち込んだりと、それぞれが工夫して暑い夏を乗り切っていました。そう考えると、サブバッテリーでエアコンが普通に使えるなんて、いい時代になったもんですね~!
我が家流「快適な夏の乗り切り方」
我が家の場合、バンコン時代もキャブコン時代も当たり前のようにエアコン装備はなかったので、真夏は北海道でしかキャンプをしませんでした。北海道に行ってしまえば、8月でも朝晩は8~10℃くらいまで気温が下がり、寝苦しい夜とは一切無縁。むしろ、フリースやダウンジャケットなどの防寒着が必要なほどです。
家族で15年以上も北海道に通い続け、これまで北海道だけで300泊以上のキャンプ旅をしてきましたが、その背景には「エアコンがないから本州じゃ暑くて無理……」という切実な理由があったワケなんですね~!(笑)
そんなこんなで、エアコンなしでも何とか10数年乗り切ってきたということもあり、約1年前に完成したトラキャンシェルJ-CABIN HNにも、あえてエアコンやリチウムバッテリーは搭載しませんでした。
とはいえ、ここ数年の暑さは異常! エアコンなしで北海道以外どこにも行けないんじゃ、せっかくトラキャンを買った意味がありません! ということで、夏場はシェルに家庭用のポータブルエアコンを搭載しています。使用しているのは、トヨトミのスポット冷暖エアコン「TAD-2218W」(現行品番TAD-22MW)です。
このポータブルエアコンは、もともとキャブコン時代に購入したもので、価格が安く、積み下ろし可能で、冷房能力も窓用エアコンと同等以上の2.2kW! 消費電力が大きいので、AC電源が使えるオートキャンプ場やRVパークでの使用が前提にはなりますが、このエアコンのおかげで真夏のキャンプやクルマ旅も快適に過ごすことができています。
ポータブルエアコンのセッティング
ポータブルエアコンの使用には吸排気用ダクトパネルの設置が必須ですが、我が家の場合、ダイネットの窓際にエアコン本体を置いて、ダイネット横の大きなアクリル窓に付属のダクトパネルをセットしています。
まずは、開けたアクリル窓の下部に付属のダクトパネルをあてがい、パネルの伸縮部分を窓の幅に合わせてネジで固定。パネルの上部まで網戸を降ろして銀マットをはめ込み、パネルや銀マットの周囲に養生テープを貼ってすき間をふさげばセッティング完了です!
「本体が大きくて重いので持ち運びが大変」「設置に手間がかかる」「AC電源のある場所じゃないと使えない」「ダイネットベッドのスペースが犠牲になる」などのデメリットもありますが、暑い夏でも快適なトラキャンライフを送れているのは、この家庭用ポータブルエアコンのおかげです!
真夏のシェル内温度を検証
一番気になるのは、家庭用ポータブルエアコンの冷房性能がどの程度かということ。昨年の夏にキャンプ場で何度もエアコンを使用したので、参考までに実際のデータを記しておきます。
使用環境は、「外気温度34℃のオートキャンプ場」。シェル内の温度は、エアコンON時「34℃」~30分後「30℃」~1時間後「26.8℃」、2時間後「24.6℃」と、十分過ぎる結果となりました。外は炎天下でも、シェルの中は十分過ぎるほど快適。外気温度が下がる夜には、エアコンを弱めないと寒すぎるほどでした。
同様の家庭用ポータブルエアコンを使用する際の注意点は、2つ。エアコン起動時に大きな電気を必要とするので、10AのAC電源だとブレーカーが落ちます。そのため、宿泊するRVパークやオートキャンプ場はAC電源が15A以上であることが必須です。
また、この手のエアコン(スポットクーラー)は排気ダクトしか装備されていない製品も多いですが、吸気を室内で行うタイプだと室内が負圧になって、すき間から外の空気を引き込み、冷房効率が落ちてしまいます。購入の際は、吸排気を外で行う2本ダクトタイプを選ぶのがお勧めです。
キャンピングカーライフ研究家/ライター 岩田一成
バンコン、キャブコンを乗り継ぎ、現在の愛車はSPL仕様のJ-CABIN HNを載せたハイラックストラキャン。 累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験と、14年以上のキャンピングカー取材経験をベースに、雑誌、WEB、テレビなど様々な形でキャンピングカーの魅力を発信中!